BMWメンテナンス~【ブレーキメンテナンス】
お車にとって一番重要なメンテナンスです。
お客様それぞれの使われ方により状況は様々ですが、新車から5万キロ以上経ちましたら、ブレーキパッド&ブレーキローターの見直しが必要となります。
高速走行が中心の方では、もっと先のお話となりますが街乗り中心の方は、時にはブレーキパッド残量を目視にてご確認下さい。
パッド残量を知らせるパッドセンサーが装備されてはいますが、正直あまりあてにはなりませんので。
そして欧州車はブレーキローターも減りながらブレーキを効かせていますので、ローターの減り具合の確認も必要です。
更に走行距離7~8万キロとなりましたら、ブレーキキャリパーのOHも必然となります。
折角新品のパッド&ローターにしてもブレーキキャリパー内のピストンが固着してしまっていましたら、本来のブレーキ性能は発揮できません。
また最近の車検場では、ブレーキの引きずりのチェックが大変厳しくなって参りました。
その最大の原因はブレーキピストンの戻りが悪い為で、常にブレーキが効いている状態になってしまっているので引きずってしまう訳なんです。
それを解決するのも、このブレーキキャリパーOHなんです。
車は止まってなんぼですし、気持ちの良いコントロール性能は、またまた走る事が楽しくなる事間違い無しですので、是非共皆様にお勧めしたいメニューなんですね!
また今回ご協力頂いたお車はBMW E91 335 走行距離85000kmのお客様にて写真を撮らせて頂きました。
ご協力誠にありがとうございました。
フロントブレーキメンテナンス
ブレーキローターをご覧下さい。
ブレーキパッドが均一に当たっていない為、ローター面の色合いが違ってしまっています。
まずはブレーキキャリパーを外します。
ブレーキキャリパーが外れました。
ブレーキローターを外す為、キャリパーステーも外します。
ブレーキローターが外れ、フロントハブベアリング本体が見えます。
外したキャリパーステーを清掃しながら綺麗にワイヤーブラシで磨いていきます。
徹底的に綺麗にするのには、地道な根気しかありませんね!
綺麗に清掃したキャリパーステー内のブレーキパッドが、スライドする部分に、カジリ止めと鳴き防止の為にパッドグリスを塗っています。
只今ブレーキパッドの取り外し中
パッドが外れ、ブレーキピストン単体となりました。
キャリパー内部も綺麗に清掃致します。
キャリパーの外周りも、もちろん磨いて美しくしていきます。
これからブレーキホースにエアーを吹き込み、ブレーキピストンを押し出します。
実はこれが意外に大変な事でして、オイルシール劣化や錆により今現在のピストンの状態は真っ直ぐではありません。
そうなんです斜め状態になってしまっていますので、中々素直には出て来てくれません。
またピストン損傷防止の為、木の板を用意しピストンを受け止めます。
それほど抜ける時には丸で弾丸の様に飛び出す事もありますので慎重に行います。
エアーを思いっきり吹き込んでもジワリジワリとしか出て来ませんね!また斜めに出てくるのも、ご覧頂けると思います。
そして1度では完全に抜けませんでしたので、2回目に薄い板にして挑みましたが、最後は結構な勢いでしたね!これほどピストンは固着している訳なんです。
この動画をご覧になって御自分の足でブレーキペダルを踏んでいるのを想像してみて下さい。
いかに踏んでも性能が出し切れ無いのが、ご理解頂けると思います。
外れたピストンの清掃です。パーツクリーナーで綺麗に洗います。
新品同様にピカピカなブレーキピストンになりました。
交換パーツはこの2点です。
細いゴムシールはキャリパー内部に収まり、ピストンの出る入るの役目を司ります。
大きな蛇腹状のオイルシールはダストシールとなりピストンと共に伸び縮みします。
交換させて頂くブレーキパッドは、オレンジウルフ 850です。
低ダストで有りながら抜群の効きとコントロール性能を持ち合わせたまさに逸品です。
大きなキャリパーを着けずとも、その性能は決して引けをとりません。
只単にキャリパーを大きくするのは、重量増を招き走行性能にも悪影響しますので、ここは一考の価値ありだと思います。
2点のオイルシールの交換を終えパッドとの当たり面のピストントップにも念を入れパッドグリスを塗っておきます。
ブレーキパッドをセットしていきます。
まさに片押しキャリパーと一目瞭然ですね!でもBMW社では過去のMモデルでも片押しでしたので十分性能に自信ありなんですね!
純正ゴムブレーキホースよりオレンジウルフ ステンレスメッシュブレーキホースへと換装させて頂きます。
純正ブレーキホースはゴム製ですので、当然経年劣化しますし交換も必要となります。
そこで耐久性も上回り且つ膨張が少ないこのステンレスメッシュブレーキホースにする事により、更にペダルを踏む力が軽減出来ますし、その踏んだ時のダイレクト感には痺れます!
高性能パッドにホースによるダイレクト感!もうブレーキ踏むのが楽しくて仕方ありませんね!
オレンジウルフのタグ着きです!さり気ない主張しています!
ドイツ一流メーカーのブレーキローター装着。
その性能の良さは適度な柔らかさにあります。減らない硬いローターでは、どんな高性能パッドを装着してもその性能は生まれません。それを私自身が体験しています。
故にたかがローターでも、こうも違うのかとまさに驚愕した証より、こちらの製品を取り扱う事に決めました。
また性能だけでは無く綺麗な状態を保つためハブ周りを防錆加工されているところも嬉しい点ですね!
新品ローターにキャリパーステーを組み着けます。
ブレーキパッドがセットされたキャリパー本体を組み着けます。
これにてフロントブレーキのメンテナンス一式は完成です。
リアブレーキメンテナンス
酷使されるフロントブレーキに比べ使用頻度の少ないリアは、意外に見た目は普通です。
こちらもキャリパーステーを外し磨き&清掃です。
パーツクリーナーにて綺麗に洗います。
いざキャリパーを外してみますとピストン上部には結構錆が見られますね!
ここもワイヤーブラシにて清掃&磨きです。
リアのピストンは小さい為、一発で抜けましたが、やはり斜めに出て来てますね!
ピストンが外されたキャリパーです。内部が見えますね。
実はこの動画が一番重要です。清掃されオイルシールを交換されたピストンをキャリパーより押し出している場面ですが見事に真っ直ぐ出て来ていますね!
そして人間の手で軽く戻る!これこそが最も皆様に見て頂きたいところでして、キャリパーOHしていなかったら絶対に手などでピストンは戻せません。
こんな動きに変化してくれる事こそが、絶妙なブレーキタッチに戻せますよ!といった事でして、まさにやってみない事には絶対に解らないとは思いますが、いざお試し頂きましたら、え=?ブレーキってこんなに気持ち良くなるの~と感動して頂ける事間違い無しですね!
ピストン上部の錆を取りここにもパッドグリス貼付です。
綺麗に面取りされたパッドを御覧下さい。まさに機能美ですね。
リアパッドはフロントに比べ随分と小ぶりですね。それが役割り分担の形と大きさです。
パッドにキャリパーを組み込みます。キャリパー自体も小さいですね。
もちろんリアのブレーホースも交換です。
以上でオレンジウルフ式、ブレーキメンテナンスは全て完成しました。
当社では創業以来この様なメンテナンスをして参りましたが、意外や意外こんな事初めて聞きましたなんて、お客様も大勢いらっしゃいます。
手間ばかり掛かりますので、大きなキャリパーばかりを勧めるところが多いのは正に事実ですが、本来持つBMWのブレーキ性能を堪能してみるってのも実に有りじゃないですか!
私達ガルフストリームは、そんなふうに前々から考えております。
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